§4 例1 平行四辺形の対角線は中点で交わる. (p.37)

(2009/02/22)

図 A(0,0), B(u1,0), C(u2,u3), D(x1,x2) を平行四辺形の頂点とする.

ADとBCの交点N (x3, x4) がAD, BCの中点であることを証明する.

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仮定

AB // CD であることは, 次の多項式h1が0であること.

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AC // BDであることは, 次の多項式h2が0であること.

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N(x3,x4)がAD上にあることは, AN // ADであり, 次の多項式h3が0であること.

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N(x3,x4)がBC上にあることは, BN // BCであり, 次の多項式h4が0であること.

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結論

NがADの中点であることは, AN = NDであり, 次の多項式g1が0であること.

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NがBCの中点であることは, BN = NCであり, 次の多項式g2が0であること.

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証明

幾何の定理を多項式に翻訳した命題を (命題A) とする.
(命題A) 「(h1, h2, h3, h4) が全て 0 となる点では必ず (g1) が 0 になる」
ここで, (命題A) ⇒ (幾何の定理が証明される) であるが,
(幾何の定理が証明される) ⇒ (命題A) とは限らない.

多項式 g1 が 0 である点で, 多項式 1 - y g1 は 0 でない.
(命題B) 「(h1, h2, h3, h4, 1 - y g1) が全て 0 となる点は存在しない」
とするとき,  (命題A) ⇔ (命題B) となる. 特に, (命題B) ⇒  (命題A).
すなわち, (命題B) ⇒ (幾何の定理が証明される).

(命題B) を有理数係数の多項式環のグレブナー基底を用いて確かめる.

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残念ながら (命題B) が成り立たない.

(命題B) を有理関数係数の多項式環のグレブナー基底を用いて確かめる.

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(命題B) が成り立つ事がわかり, 幾何の定理が証明される.

(h1, h2, h3, h4) の有理数係数多項式環のグレブナー基底を確認する.

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(h1, h2, h3, h4) の有理関数係数多項式環のグレブナー基底を確認する.

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別の解釈

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やはり, 有理数係数多項式環では, うまくいかない.

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有理関数係数多項式環では証明出来る.

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